アメリカのペット雑誌に、「 Tea cup 」に入ってしまうほどちっちゃいプードルが掲載されて以来、
「Teacup Poodle 」と呼ばれ、アメリカを中心に、日本でもブームを呼び、高い価格で販売されています。
ただ、わんこたちの戸籍である血統の認定組織であるAKC(アメリカ)においても、JKC・KC(日本)においても、
TeacupPoodleという認定犬種は存在していません。
実際、日本の代表的なClubである、社団法人 ジャパンケンネル(JKC)が発行している血統書での分類にも、
「ティーカップ プードル」の認定はありません。
最近アメリカでは、AKCがTeacupを認めないことに反発した一部のブリーダー達が新たにティーカッププードルの
団体を組織し、血統書を発行していますが、これらとの交配による血統書はAKC・JKCでは発行しません。
我が家にはTeacupPoodleについて、実に様々なお問い合わせとご質問をいただきます。
・1㎏以下の極小Poodleが欲しいのだけど・・・将来的に繁殖される予定はないですか?
・極小サイズのTeacupに似た名称がいろいろありますか・・・どこが違うんですか?
・極小サイズは病気にかかりやすく未熟児が多いと聞きますが本当ですか?
・極小サイズのTeacupと言われて高い値段で買いましたが、今4㎏あるんです。本物ですか?
大手ペットショップ等で販売されている子犬は通常、生後35日~40日位の子犬を仕入れます。
仕入れた後健康状態を確認して、2日ほど観察して健康状態に異常がなければ展示販売されます。
これを逆算すると、母犬から25日~30日ぐらいで母乳をストップして母犬から離します。 そして、
10日ほど離乳食を食べさせ、ブリーダーの手元から、ペットショップの店頭に出されます。
これがプードルに限らず、どの犬種にも共通する、最低限の子犬の成育販売状況です。
最近、ペットショップやネット販売等で、【Teacup Poodle】と言われて、高い値段で購入したのに、
成犬になったら、体高30㎝以上、3~4㎏以上になった。と、良く聞きます。
確かに、赤ちゃんの時にちっちゃくて、成長したら普通のトイプードルのサイズになることは、
良くありますが、その要因の一つが両親犬の大きさによることが多いのです。
決して無いと言えませんが、普通サイズのToy Poodleの両親犬から、Teacup sizeは誕生しにくい
ものです。 また、両親犬の両親が大きくて、生まれた子がたまたま小さい場合もあります。
Poodleの被毛は柔らかく、ふんわりしていますので、
計測するときは、被毛の付け根から計測して下さいね。
現在、血統書上プードルの大きさ(体高を基準)の分類は下記の4つだけです。
1.Standard Poodle 体高45~60㎝
2.Medium Poodle 体高38~45㎝
3.Miniature Poodle 体高28~38㎝
4.Toy Poodle 体高28㎝以下
体高とは、肩甲骨(けんこうこつ)の一番高いところから
接地面までを言います。決して、体重判定ではありません。
ただ、この規定も、成犬時の大きさを基本にしています。
血統書申請はブリーダーが申請時に(1~3ヶ月)判断します。
成犬になって、上記の基準を上回る場合が結構あるようです。
Toy Poodle全体の体高規定が有りませんので、ブリーダーは、
販売する時、下記の大きさを、便宜上使用しています。
1.Tiny Size 体高25㎝以下 【成犬時予測】
2.Teacup Size 体高23㎝以下 【成犬時予測】
3.Nano Poodle 体高20㎝以下【成犬時予測】
* 我が家固有の呼称です。
最近アメリカでは、極小のTeacup Poodleが注目されています。 体高が15~20㎝です。
しかし、このSizeの輩出はかなり無理があります。 そこでバイオ技術を利用し、クローンPoodleや
DNAを操作して顔やスタイル、毛色まで操作することにより、極小の子を創っているようです。
日本の一部の著名ショップやブリーダー達は、アメリカのブリーダーと提携することによって、
この極小Teacupを日本国内で繁殖することにより、より高額で売ることを目論んでいるようです。


ただ一部心ないブリーダー及び著名SHOP等で、Teacupと称することで高値販売できることに目をつけ、生後直ぐに母犬から離し、
生育ぎりぎりに授乳を制限をした後、15日ほどで母乳をストップし、与える離乳食も限りなく押さえて、25日ほどで店頭に出し、
【TeacupSize】として高値で販売しています。 これはもはや未熟児以前の問題です。
また、前述と同様に母乳を押さえ、離乳後低カロリーのフードを4~5月与え続け、発育制限とも言うべき状況で育てます。
生後4~5月は人間で例えると、5歳~9歳です。 この時期の子供に低カロリーの食事で食育した場合、成長を止めることになります。
さらに、故意に寄生虫を抱かせて平気で成長を留めていたり、頭蓋骨に欠損(通称ベコ)が有る為に、水痘症を発症し、成長が阻害
されている病気にもかかわらず、極小Teacupといって平気で販売しているブリーダーもおられるようです。 これらは人為的な【未熟児】です。
これらの子犬たちは、プードルの最大の魅力である毛量も極端に少なく、毛艶も悪くなってきます。 さらに、目に覇気が感じられず
他犬種にないプードルの特徴である活発な動きはなく、未熟児と判断されても仕方ないのかもしれません。 これだけは申し上げたい!
正常な状況で育ったTeacup サイズのプードル=未熟児ではないのです。
我が家では、生後50日頃まで母親と同じハウス内で一緒に暮らします。 子供達が母親の食事を食べ始める頃を目処に、
離乳食を始めます。 そして、60日頃(お渡し予定日)を目安に、経験ある獣医師による健康診断・初回ワクチン(6種)を
摂取してお渡しています。
我が家の子供達は、栄養たっぷりの母乳を一杯飲みますので、とても成長が早いのですが、離乳食を始める頃から、
朝晩、リビング内でみんなと一緒に遊び始めます。 そして、2ヶ月頃になると、とっても健康的に身が締まり、社会性を持った
子に成長します。 余談ですが、僕たち夫婦は、キャンプが大好きなので、キャンピングカーに乗って、ほぼ毎週出かけます。
もちろん、赤ちゃんも一緒に家族全部で移動するんです。 そのせいか、、、我が家の子供達は、人見知りもせず、車酔いも
一切しません。 トイレの躾も、母親のまねをしながら自然と覚えますので、お渡ししたときにとっても早い時期に躾が完了します。
また、我が家の家族(わんこ)達も、一緒に遊んでくれますので、犬見知りもなく追いかけっこなどしますので、骨格もしっかり
していますので、骨折などのおそれも少なくなっています。


僕自身健康でよりサイズの小さい子を・・・というのを念頭にブリーディングをしてきました。 より小さいTeacupsizeの両親犬を
選んでブリーディングを行い、また嫁がせたTeacup達の飼い主様のご協力を得たりしながら、やっと誇れる優良で健康な父犬を
創出することができました。 その世代の子供達のブリーディングから、健康なより小さいTeacupが誕生してきました。
この子供達と、従来の業界内での呼称:TeacupPoodleとはっきりとして差別化を図るために、2010年10月1日を以て、
成犬時の体高(予測)20㎝以下の子供達を新たな呼称:ナノプードル(NanoPoodle)と呼称することといたしました。

トイプードルの出生児の体重は、平均的に180~200グラムです。 両親犬の大きさによりその体重は前後します。
母親の胎内でもやはり栄養の行き届くことそうでない子がいますが、行き届かなくて平均より小さく産まれた場合、心ないブリーダーは
与え始めます。 しかし、食べさせる量はごく少量に抑えます。 それでも大きくなりそうな子は、低血糖症にならないように、
ブドウ糖だけを飲ませます。 そして、生後30~35日には出舎させて、店頭やネットで、【Teacup Poodle】として販売します。
ココまで読まれた方は、、??!!と思われるでしょうね。 このような育て方をされた子は、「制御された発育不良」です。
そして、お客様には、「朝昼晩の3回に分けて、しっかりご飯を食べさせてくださいね」と指導します。 当然、高い値段で購入
された飼い主は、死なれては大変ですから、一生懸命ご飯を食べさせて、2回目のワクチンが済んだらしっかり散歩もさせます。
運動量が多くなれば、当然食べる量も増え続けます。 その結果として、制御された発育不良の子は正常に大きくなります。
そして、半年も経てば当たり前のように普通のToyPoodleになります。 購入元に、「Teacup Poodle」では無いと抗議をしても、
購入元の答えは、「ご飯を与えすぎたんだ」「運動量が多すぎるからだ・・」と言い放ち、返犬に応じることは決してありません。
残念ながら、一部にこのようなブリーダーや業者がいることも事実です。
我が家の子供達の出生時の体重は、平均的に80~120グラムです。 希に65グラムの子が生まれることがありますが、比較的
元気に初乳を飲んでくれますので、本当に手がかかることはありません。 これは健康な両親犬で居てくれるからと考えています。
出生後30日ぐらいから離乳食を始めるのですが、それまでは、一日中母親と同じハウス内で一緒に暮らしています。
母乳は何時でも飲みたいだけ飲める環境です。 でも、やっぱり赤ちゃんは成長していくので、母乳がだんだんと、足りなくなってきます。
歩き始めてしばらくして、母犬のご飯を食べに行きます。 この頃から、離乳食を始めるのですが、我が家ではそれでも、母親と一日中
一緒に過ごさせています。 何時でも母乳もしっかり飲んで、離乳食もしっかり食べての状態なんです。
ワクチン接種の準備のために、55日頃に初めて母親を別のハウスに移します。 この頃になると、ほぼ離乳食だけで足りるようになります。
勿論、一切、食事制限はしません。 食べ残すほどの量を与えています。 そして、ワクチン接種(6種)後で新しい家族に嫁がせます。
正常な状態で成長した「Teacup Poodle」達には、しっかり食べさせても、、決して大きくなることはありません。

私は以前柴犬のブリーディングをしていましたが、伝統ある柴犬にもいろいろと難しい要素があります。
トイプードルに出会って20年。 最初に家族として迎えた子がさてもサイズの小さい子でしたが、
今で言うTeacupほどではなかったですが、Teacupのブリーディングを初めて年月が経っていますが、
その要素を断定することは本当に難しいものです。 小さいと感じて購入しても大きくなったり・・・
実は、我が家自身も失敗してしまった事例もありますので、それも参考にしてまとめてみました。
このような子が良いかどうかは、個人の判断ですが、僕自身は非常に疑問を持っています。 また、そのようなDNA操作による
極小Poodleと交配し、それらから生まれる子は、おそらく、奇形も出やすいでしょうし、画一的な個性のないわんこだと思います。
そして、それ以上にビジネス(金儲け)優先主義の犠牲になるのは、誠に悲しいことですが、生まれてくる子なんです。
生まれてくる子には何の罪もありませんが、恥じるべき行為は厳に慎んでいただきたいものです。
1.両親犬(毛艶・毛量・毛色・体高)が確認できる優良なブリーダーや販売犬舎から購入すること。
2.両親犬の体重だけで、判断しないこと。 (両親犬が制御された発育不良の場合もあります)
3.子犬の体重だけで判断しないこと。 両親犬が不明な時は特に要注意です。
4.足の骨格がしっかりしていて、かつ太くないこと。 逆にか細すぎる子も要注意です。
5.毛量は地肌が見えないほど豊富であり、毛艶はつややかな光量を持っていること。
未生育やお腹に虫を抱えている子はの毛艶に弾力が無く、毛量も粗く地肌が見えるほどです。
6.鼻が乾いて無く(鼻水も駄目)、元気に走り回り足に障害が見られず、目に生気があること。
7.子犬の肛門にタダレが無く、綺麗なピンク色をしていること。 赤く腫れている場合は要注意です。
8.写真だけの取引ではなく、遠方でも実際に子犬・両親犬自身を見て購入すること。
空輸などで購入された場合、まず実物と間違いないか確認し、直ぐに病院で検査を受けることをお奨めします。
9.生後60日以上に成長してから、引き渡しを受けること事を快く承諾してくれる事。
10.犬舎内が清潔に保たれていて、店内や犬舎内に悪臭が無いこと。 子犬に寄生虫がいるか否かの確認です。
子犬はちょっとした生活の変化にも敏感に反応します。 万一ぐったりしている時は、血糖値が下がっている場合があります。
そんな時は、急いで、スポイト(子犬用)で【砂糖水】を飲ませてください。 しばらく様子を見て、回復しない場合は、躊躇せず、
病院に行くことをお奨めします。 さらに、わんこ達にも、信頼できる獣医師(主治医)を選ぶことも、重要なことです。